端末



   反転された文字列から入口を探す
   隠された仮想領域のことばを狩りに
   ほの白い闇に明滅する極小級数の記号は
   ところどころ渦を巻いてわたしを惑わせる
   黒色星雲の配置にならい なぞるカーソル
   の上に立ち現れる闇

   変換されるものと されないものの間で
   蠢いている見えざる手の記憶
   投影された形をさぐる端末の上に
   おぼろげに凝固していく死人の輪郭
   蒼白の顔面に針を突きたて
   開閉動作を不規則に繰り返しながら
   真夜中の回路をしずしずと進んでいく

   見えないことと混乱はつがいのように機能し
   憂いが空間に結ばれて
   人々の影がむなしく交差する
   異なる心と性の社交場で芽生える愛
   ときに紡がれては距離を一瞬で跨ぎ越し
   抒情はたおやかに語り継がれる

   増設された魂のメモリに
   窓の外 しめやかに雨は降り注ぎ
   深々と更けていく夜のしじまに
   端末は唸りを上げて
   幻を活写する
   
     
   
  
   
   
   
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  by wind-walker | 2007-05-23 21:22 | 心象風景

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